2014年3月1日土曜日

メダカの卵 前編

メダカの卵


メダカの卵の話である。


魚の卵の話ばかりして、
一体どうしたんだ何の話なんだ
と、思った方が多いと思うが
そのとおりである。


いわゆる脱線。
話が横道に逸れてしまっただけである。


私が聞いて欲しかったのは、
メダカの卵の話である。


ウチのメダカは卵を産む。
それはもう、呆れるくらい卵を産むのである。




話は遡る。
初めてメダカと水槽その他を
買いに行った日のことである。


その日私は
私にメダカを飼うことを薦めてくれた知人から
水草も必ず買うようにと言われていた。


私は何も知らないからただ言われたとおりに
水草水草。と、思っていたに過ぎない。


親切な店員に(私は彼のことを親切な店員と呼ぶことにしている。)
そのことを言うと、
こっちの方がいいですよね
と、本物の水草ではなく、プラスチックの作り物の水草を出してきた。


言っておくがその時点では私は、水草に本物と作り物があることも知らなかった。
まあ、考えればそういうことだろうなあとは。思うのだが
普通の生活をしていると、なかなか水草のことを考える機会と言うものはないものである。


ただ、作り物よりは本物のほうがいいような気がした。
そう言うと彼は少し困ったような顔をしたのだ。


彼によると水草を育てるのはなかなかに難しいことなのだそうだ。


本物の水草を買うとなると、水草用のライトが必要になるんだそうである。
ライト?


「水草も植物なんで、成長するためには光が必要なんですよ。」


その光も、ただ当てればいいというものでもないらしく。
なかなか水草を育てるということだけでも
難しいらしいのである。


もちろん私は作り物の水草を選んだ。


これからメダカを育てることだけでも不安なのだ。
水草まで育てる自信はもちろんない。


ふと、そんな飾り的なものは別にいらないな。と思った。


「水草ってなんでいるんですか?」


すると親切な店員が言うには
「もしかして運が良かったら卵を産むかもしれませんしね」
「卵?」
「水草に卵を産み付けるんですよ。水草がないと卵は産みません」


絶対いるよ。水草。
でも、運が良かったらってどういう意味なんだろう?


「三匹の中に上手いことオスとメスが入っていたら」
ということだった。
私はその日三匹メダカを買ったのだが、
その三匹がオスなのかメスなのか
わからないらしかった。





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